2010年6月4日金曜日

TRAVELING BYOBU -今と昔を旅する私-

        事前学習で解説シートを見るようす

「TRAVELING BYOBU」という洛中洛外図屏風を題材にしたWSを実施しました。このWSは京都へ修学旅行へ訪れる中学生を対象にしたものです。今回は大学生5名に実験として参加してもらいました。

目的は教材キット(ミニ屏風、解説シート、PSP)が学習活動のなかで、どのような効果があり、学習を支援できるのかをみました。

※洛中洛外図屏風と京都修学旅行の関係
洛中洛外図屏風は室町時代の京都のまちと市外を描いた屏風です。WSでは屏風で旅行前に昔の京都を鑑賞してイメージしてから、実際に旅行し、今と昔を比べながら旅行することができる。

WSプログラムの構成として3つの段階を設定しました。段階として修学旅行に行く前の学習(事前学習)、そして修学旅行、最後にふりかえりの学習(事後学習)となっています。

事前学習では、まず屏風について説明をうけてから洛中洛外図屏風を鑑賞(ミニ屏風)。
その際に屏風をみて疑問に思ったことなどを付箋に貼りつけ、解説シートで疑問を解消させる。
次に屏風で気になった部分や気に入った部分に、自分を登場させる(デジタルカメラで撮影したものを印刷して貼付ける)

修学旅行。今回は清水寺、八坂の塔、八坂神社、知恩院を回りました。

         八坂神社にてPSPを利用する様子


事後学習
ミニ屏風の上に透明シートをかさね、旅行時の写真を貼付ける。旅行中に撮影した写真を印刷し、透明シートの上から写真を切り抜いたり、コメントやイラストをかき込んでいく。完成後、発表しながら透明シートでふりかえりや出来事の共有化をはかる。



         完成した屏風

今回のWSを通して気づいたことのまとめ
・屏風鑑賞の支援に解説シートは有効である。
・解説シートは紙媒体であるため全体像が把握しやすい。その反面、外には持ち歩きしにくい。
・PSPは全体像がつかみにくく、操作が分かりにくいと。しかし情報を携帯できる利便さがある。
・体験活動を通した学習に効果が期待できそう。
・屏風に表現することによって、より注意深く屏風を鑑賞する。
・予想していたが解説シートだけでは補えない情報が出てきた。研究者のひとに補佐してもらったが、人というツール?コンテンツ?にはかなわないのではないか。
・旅行先(清水寺)で現地の人に由来を尋ねるといった行為もみられた。事前に屏風を鑑賞していたからにつながった結果ではないか。

参加者のコメント
・みんなでシートにペタペタすることで、違った自分では気づかなかった視点で旅行をふりかえれた。
・事前に興味を持ったことは現場に行くと新しい発見があり、事後があるので知識を深められる
・実際に見て回った景色、得た情報と、屏風に描かれた情報の違いを知れたこと。
・普段意識をしていないと屏風・京都と別々に学ぶ場合しかないので、WSを通じて一緒に学べることは大きい。また一方的に歴史を学ぶ訳ではなく、自ら表現する事で自然と興味が深くなる。

課題
・事前学習と修学旅行のつながりの設定が不十分だった。
(訪れる場所を屏風で確認、自分を登場させる、修学旅行で確認などが足りなかった)

今回のWSにはPICKLESのお二人にもサポートしていただきました。ありがとうございました。

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